アボリジニの歴史〜Stolen Children(盗まれた子供達)〜
少し前の話になりますが(確か今年はじめだったと思います)、シドニー大学でアボリジニ言語集中講座という新しいコースが開講したというニュースがありました。はるか昔には270にものぼる言語があったといわれるアボリジニ言語ですが、その新コースでは2言語だけを教えるということでした。
数は少ないですが、大学の講座となったということは大変よいことでしょうね。
このコースの受講者、実は当のアボリジニ達の受講も望まれたそうで、実際多くのアボリジニも受講したそう。アボリジニ本人達でさえ、自分の所属するグループの言語がよく分からないという人が多いそうです。自分の文化を知るということはアイデンティティの確立につながりますし、文化の継承にも役立ちます。というか、言葉の継承そのものが、文化の継承の一つの形でしょうね。
さて、アボリジニ達がその言語や文化を失ってきているというのは、よく聞きます。
理由は様々あるでしょうが、その一つとして言われているのが「Stolen Children(盗まれた子供達)」という、ある世代のアボリジニ達です。「Stolen Generation」とも呼ばれています。
オーストラリアでは1915年から1969年まで、政府とキリスト教会の主導の下、アボリジニの子供を親から強制的に引き離して寄宿舎などの諸施設で養育するという政策が行われていました。
アボリジニの子供といえども、白人の進んだ文化のもとで教育を受け、文明社会に適合する立派な人間となるようにという考えだったそうです。アボリジニを劣等な民族として、その文化を劣等な文化としている思想が見え隠れしています。また、彼らアボリジニを尊重する念はなく、白人への同化を強要しているように思えます。
親子が引き離されるわけですからひどい事ですよね。勿論、アボリジニ達の同意はなかったそうです(当たり前ですよね)。でも、これは議会で承認を受けて立法化されたれっきとした政策だったために、堂々と54年にもわたって実施されていたんです。この間に親元から引き離されたアボリジニの子供達の数は、一説には、10万人を超すといわれているそう。
その子供達が「Stolen Children」「Stolen Generation」と言われています。強制的に西欧化させる政策がうまくいったとはあまり言われていませんが、彼からアボリジニとしてのアイデンティティを奪ったのは確かだったようです。その人数の多さからも、アボリジニ文化継承においてのダメージは相当だったでしょうね。
この隔離同化政策を扱った映画があります。邦題は「裸足の1500マイル」。強制的に収容所に入れられたアボリジニの少女3人が、母親の元に帰る為に、故郷目指して歩き続ける話です。
オーストラリア西部を5000マイルにわたって縦断するウサギよけのフェンス(当時ウサギが大繁殖して牧畜に被害が出たので設けられた)をたよりに、追跡されながらも、大自然の中を歩き続けた少女達のお話です。
実はこれ、実話です。
後年、少女達の1人であった方が書いた「Rabbit Proof Fence(ウサギよけフェンス)」という本が原作。
ご覧になった方も多いんじゃないでしょうか。
因みに1500マイルというのは、キロに直すと2400キロ。稚内から那覇までの距離です。過酷な状況の中、母会いたさにそんな距離を歩いた少女達がいたんだと思うと、改めてこの政策のむごさを感じますね。
数は少ないですが、大学の講座となったということは大変よいことでしょうね。

このコースの受講者、実は当のアボリジニ達の受講も望まれたそうで、実際多くのアボリジニも受講したそう。アボリジニ本人達でさえ、自分の所属するグループの言語がよく分からないという人が多いそうです。自分の文化を知るということはアイデンティティの確立につながりますし、文化の継承にも役立ちます。というか、言葉の継承そのものが、文化の継承の一つの形でしょうね。
さて、アボリジニ達がその言語や文化を失ってきているというのは、よく聞きます。
理由は様々あるでしょうが、その一つとして言われているのが「Stolen Children(盗まれた子供達)」という、ある世代のアボリジニ達です。「Stolen Generation」とも呼ばれています。
オーストラリアでは1915年から1969年まで、政府とキリスト教会の主導の下、アボリジニの子供を親から強制的に引き離して寄宿舎などの諸施設で養育するという政策が行われていました。
アボリジニの子供といえども、白人の進んだ文化のもとで教育を受け、文明社会に適合する立派な人間となるようにという考えだったそうです。アボリジニを劣等な民族として、その文化を劣等な文化としている思想が見え隠れしています。また、彼らアボリジニを尊重する念はなく、白人への同化を強要しているように思えます。
親子が引き離されるわけですからひどい事ですよね。勿論、アボリジニ達の同意はなかったそうです(当たり前ですよね)。でも、これは議会で承認を受けて立法化されたれっきとした政策だったために、堂々と54年にもわたって実施されていたんです。この間に親元から引き離されたアボリジニの子供達の数は、一説には、10万人を超すといわれているそう。
その子供達が「Stolen Children」「Stolen Generation」と言われています。強制的に西欧化させる政策がうまくいったとはあまり言われていませんが、彼からアボリジニとしてのアイデンティティを奪ったのは確かだったようです。その人数の多さからも、アボリジニ文化継承においてのダメージは相当だったでしょうね。
この隔離同化政策を扱った映画があります。邦題は「裸足の1500マイル」。強制的に収容所に入れられたアボリジニの少女3人が、母親の元に帰る為に、故郷目指して歩き続ける話です。
オーストラリア西部を5000マイルにわたって縦断するウサギよけのフェンス(当時ウサギが大繁殖して牧畜に被害が出たので設けられた)をたよりに、追跡されながらも、大自然の中を歩き続けた少女達のお話です。
実はこれ、実話です。
後年、少女達の1人であった方が書いた「Rabbit Proof Fence(ウサギよけフェンス)」という本が原作。
ご覧になった方も多いんじゃないでしょうか。
因みに1500マイルというのは、キロに直すと2400キロ。稚内から那覇までの距離です。過酷な状況の中、母会いたさにそんな距離を歩いた少女達がいたんだと思うと、改めてこの政策のむごさを感じますね。
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この記事へのコメント
1. Posted by コピー オメガ 2012年12月07日 22:23
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